BLOG

旅の雑感 写真あげたよ!中編

パリ到着2日目、日本のゲストハウスの創設メンバーで1年半以上一緒に住んでいたガエルに会う。パリの大学で、国際関係を学んでいる超絶優秀で美しい女子。日本語がとっても堪能。

今かよっているINALCOの授業の話や、将来就職希望のEUの委員会の話などを聞く。ついでに週末にパリ北東のリールで「FANTASTIC」というアートのお祭りがあるらしいことを聞き、急遽エクスカーションをすることに。(行き当たりばったりの旅なので、思いついたらすぐプログラムを変更する。というか、決まったプログラムはないんだけどね。)

リールにはなつかしい友人たちがいる。ゲストハウスに2週間滞在して、毎晩飲み明かした愉快な連中、通称「リール・コネクション」と呼ぼう。

リールは、ベルギーの国境に接した「ほぼベルギー」な街で、いわゆる「フランドル文化」の中心地の一つ。駅の中心部には「vieux lille」なる旧市街がある。

そこは、200年以上前の町並みを保存した、石畳の美しい一角。そのど真ん中の素敵にクラシックなホテルをとってやったぜ(booking.comで破格だった)。

ホテルの部屋の窓をあけると、リール・ノートルダムと、アンティークな家々の赤い屋根が見えて、別世界の趣。

さて。前述の「FANTASTIC」は、ここが舞台となるのですよ。

僕たちの滞在した三日間は、そのお祭りのオープニングにあたり、町中で色んな展示やらパレードやらが行われていて、それはもうにぎやかなものでした。
以下、写真参照↓

ホテルの裏窓からの眺め。素敵ですね。

旧寺院(?)の博物館にあらわれたノアの箱船。

駅前の広場では、テクノが爆音で鳴り響く(こういうの、フランスっぽいね)

建物の窓に、幽霊が映し出される。

白眉は、ノートルダム寺院の壁画に映す、プロジェクトマッピング。
街のシンボルがどんどんトランスフォームする、素晴らしい作品でした。

※誰かがyoutubeにあげたヤツを共有。ありがとう。パレード。パペットがなんともゆるい。




この「FANTASTIC」では、外国からの観客はほとんどいなくて、基本リールとリール近郊の人たちが運営し、楽しむ「オラが町の祭り」の趣。夜中の12時に市庁舎内に設置されたインスタレーションを訪ねると、リールの美大生が詳しく作品を解説してくれる。

なんでも学校のプログラムの一環としてこの祭りに参加しているそうで、とても熱心だった。ここでも「オラが町の祭り」感が醸し出されていて、すこぶる好印象。

「祭りが共同体を再生させる」というのが僕の一つの確信なのだけれど、それは日本だけでなくてユニバーサルなものなのでしょうか。

 

ちょっと話がそれるけど、フランスの美術館や、こういうアートフェスティバルの場では「作品を解説する人」が大活躍する。「学ありますけどなにか」というおじちゃんおばちゃんが堅苦しくやるのではなく、上記のような情熱ある学生や、アーティスト然とした雰囲気ある兄ちゃんなどが、それはもう芸達者にやる。ケ・ブランリーでは、アジアンな格好をしたかっこいい女性が、子供達にアフリカやアジアの神話を絡めた作品解説をやっていた。子供達はそれに心を掴まれっぱなしで、完全に「ハーメルンの笛吹き男」状態(子供向けの簡単なボキャブラリーで話していたから、僕も解説ツアーにご相伴あずかった。楽しかった。)

フランスの芸術に関する懐の深さは、「つくる」の後の「集める・並べる」さらに「説明する」の一連の流れがつねに強く意識されているところにある。というか、「感心する」とか「感動する」とか「金を払ってでも欲しくなる」の感覚から逆算して各プロセスを統合している点にある。

その技術の粋は、極東アジアからシャンゼリゼ通りまでわざわざ革のバッグの買い物に大枚はたく女子がたくさんいることで証明される(僕は、そういう女子に何かいちゃもんつけるより、そういう行為をプロデュースしたフランス人たちの技術に感心する)。

で、土曜~日曜は、旧友ゴーチェの新居に一泊。

彼はリールから車で20分の、ラバセという小さな田舎町の古い家を改装して住んでいる。お互いのここ数年の出来事、日本の状況などについて延々話す。大変愉快。

ゴーチェは最近、日本のアーケードゲーム(ゲーセンにあるやつ)を改造し、「ぷよぷよ」やら「ストリートファイター」やらが遊べるゲーム機を手づくりして、パーティ会場やカフェに設置するようなことをやっている。

一周まわってクールだと思う。


ゴーチェと彼女のクレール。二人ともお幸せに。

ラバセは小さな川を囲む、「正しいヨーロッパの田舎町」といった類の所で、モネやらピサロやらの印象派が好んで描きそうな風景が広がっている。

日曜に開いているほぼ唯一のカフェは満員。オムレツを注文したら「卵がない」といい、サラダを注文したら「青菜がない」という。スーパーもマルシェも閉まっているので、黙って「ソーセージとキャベツの煮込みを喰え」とウェイトレスが迫るので、ありがたく食す。それも正しく田舎の味で素晴らしい。日曜に開いているほぼ唯一のバーでベルギービールを頂いていると、おっさん達がからんでくる。

考えてみれば、絶対的に観光地であるはずがないところで、明らかな観光客が飲んでいるのは興味の対象に違いない。おっさん達の言葉もこれまた正しく「シチ(フランスの東北弁みたいなの)」であり、聞き取りに難儀する。

ちなみに、この地方に来ると老いも若きもビールを飲む。ワインその他はあまり飲まない。そしてそのビールがめちゃくちゃに美味しくて味が多様。ルーツは修道院の坊主たちが仕込んだクラフトビールらしい。なんと罪深い。

月曜。リール市内へ戻り、もう一人旧友のジュリーに会う。

最近結婚して新居を買ったばかりで、幸せそうだった。ちなみにフランスの若者は、30歳で家を買うのか(驚き)。家の値段は、日本とそう変わらないというか、日本の地方都市のそれと比べるとかなり高いといってもいいと思う。

20代半ばまでは都市部のアパートで暮らし、所帯を持ったりきちんと手に職をつけてその土地に住む覚悟ができると、家を買うようですよ。ちなみにローンは20~30年だって。まあそれはつまり、不動産の資産価値がちゃんと担保されているということで、歴史や景観を大事にするフランスの良いところとも言える。

(日本は残念ながら、都市部の一等地を除いて不動産価値は下落しつづけるから、家の値段を下げても誰も家を買わなくなると思う。その事態を変えたければ、投機価値以外のものを不動産に付与する必要がある。住み継ぐに耐える「素敵な家」と、その周りに広がる「素敵な景観」のデザインが例えばそうだと思うが、いかがか。)

リールについて特筆すべきはあとは「食」もありました。

北フランスといえば、僕はまず「貝」を思い浮かべる。とりわけ「生ガキ」。新鮮な巨大生ガキを、シャブリやらアルザスのミュスカやらの辛口の白、スパークリングワインをごくごく飲みながら、中国の餃子のようにそれだけを食べ続ける(ちなみに白ワインやスパークリングは、お腹を殺菌して下さないようにする効果もあるとか。眉唾ですが)。リールの旧市街にある”a l`huitrerie”という、カキの専門店のスタンドバーのようなところで「カキ祭り」ができますよ。カキにいくつかのランク付けがあるのだけれど、ぜひケチらないで「スペシャル」を食べていただきたい。脳髄を破壊する美味しさなので。


あとは、「サン・ジャック」という貝のカルパッチョというか、フランス的刺身のようなものもあるので、それも食べられたい。
というわけで、パリでの教訓をいかしリールでは軽い前菜系のものばっかり食べて、街を東へ西へよく歩いた。
やっぱり書き出すと結構ありますね。後編へどうぞ。

Pocket


【CONTACT】お問合せはこちらからお願いします。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お問合せ内容 (任意)


※送信する前にこちらをご一読ください→

メッセージ(任意)