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岩が転がりはじめる瞬間。

こんにちは、ヒラクです。
今日も事務所で仕事中です(休日の事務所仕事は電話が鳴らなくて気分はゆったり)。
えーと。
うまく言語化できないままずっと感じてきたことがあります。
それは「大きな岩を転がす梃子」の働きで、言い換えれば「ポジティブ・フィードバックがかかり始める最初のきっかけ」とも表現できるかもしれません。
緩い坂道の一番上に、わりと丸めの大きな岩があると仮定します。
ものすごく重いので、押してもビクともしません。なので、厚い板をもってきて、何人かで「せーの」でその板に飛び乗ったとする。で、みんなの「せーの」のタイミングがピッタリ合うと、岩がちょっとだけ動く。
「せーの」で動くのはほんの少しですが、坂道なので岩は自重でゆっくりと転がり出す。そして転がれば転がるほど、速度があがっていき、前にあるものをなぎ倒すように進んでいく。
で、坂道が終わってしばらくは惰性で転がって、やがて止まる。
…これ何の例えかというと、プロジェクトなり組織なり事業なりのメカニズムです。
例えば何億円という規模で展開している事業やサービスが「売れ始めた瞬間」を逆算してみると、この「何人かでせーの!」が見えてきます。
例えば、某大手家電メーカーだと「電球(坂上)→家電(坂下)」、「電球を収めるソケット(坂上)→住宅設備・建材(坂下)」という「岩ゴロゴロ」が見えそうな感じですよね。
今まで、デザイナーとしていくつもの事業やブランドの立ちあげに立会ううちに、岩を転がす「せーの!」をうまく設計することの重要性を学んで行きました。
実は一年くらい前までは、「コンセプトが良かったら岩は転がるんではなかろうか」と思ってたんですが、これはちょっと浅い思考でした。
良いコンセプトとかイメージとかって、何人か乗っても平気のタフな「テコ」にあたるんですよね。
だから大前提ではあるけど、実はテコだけあってもダメなのですよ。
テコをどの角度で岩の下に入れ、その後誰がどういうポジションで、どういうタイミングで飛び乗るか。そういう「せーの!」の設計無くしては岩は転がらないわけです。
で。
この「せーの!」の設計って、すごーく細部の積み重ねなんですよね。
それは、サービスなり商品を受取る側の気持ちになってみればよくわかります。あるモノなりコトなりを「良い!」って思うのって、超微細なポイントじゃないですか(キレイな手の男子に萌えるとか)。
理屈の正しさでは人を魅了することはできない(できるとしたら、理屈の「美しさ」だね)。
…なわけで、非常の好感度のセンサーを持った「センス」というものに分け入っていくためには、ものすごく細かいところに着目することが必要なわけです。
それをハッキリ感じたのは、++がやっているSMALL WOOD TOKYOを立ち上げた時の、ふとした瞬間でした。もてもてキューブというボックスを自分で作った時に、スギの木にドライバーでビスを売った時「あ、スギやわらかい」って感じたんですね。
「スギやわらかい」。
文章にすると別に面白くもなんともないじゃないですか。でも、これ自分の手を使って感じたときに、すごーく商品が好きになるんですよ。
こういう細かい気づきが「せーの!」のベースになります。
「木の触感を感じてもらうと、好きになる」ことに気づいたら、そういう機会をどんどんやり続けたらイケるんじゃないかしら?という流れになる。
そうやって、狙いが絞られると、少ないリソースをそこに突っ込むことになる。
で、それがある量と質まで達すると、ある日「お、これもしかして『ブランド』っぽくない?」みたいになるわけです。
仕事って、いくつもの段階がありますけど、ヒラクが最近激しく気になっているのがこの「せーの!」がハマる瞬間です。「0→1」「1→100」の中間地点を細かく分解した、「0.5→1.5」ぐらいのプロセスね。
少しでも転がり出したら後はテコいれずとも、人数かけて押したら岩はどんどん転がる。
「電球が売れたから、今度は電灯をつくろう」、「電灯がうれたから、今度は天井じゃなくてフロアランプをつくろう」、「そもそも、光をつくる技術を応用したら性能の良いテレビも作れるかもよ」、「フロアランプとテレビをセットで売れるということは、リビング用品一式つくってみよか」みたいな感じで。
こういうのって、なかなかクライアントワークばっかりやってても見えて来なかった。
自分で事業をやると、寝ても覚めてもその商品のことばっかり考えるから、アンテナが妙に細かいところに行くようになる。その時にこの「岩が転がり始めるきっかけ」を発見することができるようになるんじゃないですかね(たぶん)。
でもって、事業の主体であるクライアントの皆様が真剣に考えているのがこれだったりするんですよねー。僕も実感を持ってクライアントの方に「わかります。その悩み」と言えるようになりたいもんです。
PS
記事の下の「いいね!BOX」を合同会社++ではなく、SMALL WOOD TOKYOのものに変えました。引越しにあわせて、「SMALL WOOD TOKYO強化期間」に入ったので、ご興味のあるかた応援よろしくお願いします。

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