BLOG

ワインツーリズム、今年で4年目だよ!【後編】

こんにちは、ヒラクです。さて、昨日のワインツーリズムレポート、後編です。

前日は一日飲み通しでしたが、ワインの質がよかったためか、みんなスッキリ起床。五味のお母さん(手前みそのうたのアニメで踊っているあのお母さんです)の美味すぎるおにぎりとお味噌汁を食べて2日目スタート。

なんと、朝10時から飲み倒そうという魂胆(ちなみに僕たちが特殊なわけではなく、通りのあちこちにワインツーリズムのパスをぶらさげた老若男女がグラスをもってウロウロしている。異様な光景)。

 

【2日目】
信玄ワイン。五味醤油から徒歩1分の家族経営ワイナリーから2日目スタート。前日から打って変わって一面の青空。その下で朝10:00から飲むワインはしみるぜ。信玄ワインは甲府市街地にあるわずか二件のワイナリーの1つ。今代替わりの途中らしく、ワインの質にバラつきがあります(ベリーAのミディアムボディは当たり)。

サドヤ。甲府の誇る老舗ワイナリー。中央線甲府駅から徒歩3分に突如あらわれる、ヨーロッパ仕様の瀟洒な建物。晩秋の風に吹かれながら、テラスでワインを飲む(午前11時半)。いやあ、アーウィン・ショーの小説の世界だぜ。サドヤは、山梨ワインと同じく「古き良き」と「イマドキ」の両方のワインを幅広いラインナップで揃えております。個人的な印象としては、妙齢のおばさまとかが好きそうな感じ。
併設のレストランは、これまた「クラシックな西洋」的雰囲気。こういうの、東京ではほとんど見なくなりました。

シャトー酒折。甲府盆地から北に丘をのぼってすぐにあるワイナリー。甲州発酵物産展にも協力してもらった、超実力派のワイナリー。ロケーションも甲府盆地を一望に見下ろせる、全会場のなかでも屈指の眺望。ここに来ると「山梨大好き!」と思っちゃいますよ。敷地内の大きなガレージを使った会場は超満員。全員満面の笑顔で飲みまくっています(午後13:00時)。ここのワインは白も赤もロゼもにごりもスパークリングもたいがい外れなし。しっかり熟成した5~10年もののワインも試飲できます。

僕のお目当ては、「キュヴェイケガワ」。池川さんというカリスマぶどう農家(映画俳優のようなグッド・ルッキング)監修のプレミアム・ワイン。一口飲むと「生きとし生けるもの全てに感謝」したくなる、ぶどうの生命力全開の超絶美味の一本です。4年のあいだ飲みくらべると、毎年味に傾向があるのがわかりますね(今年は比較的ライトで、良い意味で『水』な味でした。去年はもうちょい苦みが強かった印象)。

マルスワイン。甲府から車で10分。石和温泉地域に移動。マルスワインはこの地方の看板ワイナリー。ここも創業100年を超えてます。駐車場には大型バスがひしめき、リタイアしたおじさまおばさまが見学に詰めかけておりました(パッケージツアーのコースに入っているのね)。ここも老舗の強みを活かし、ベリーAやメルローをしっかり寝かした本格的な赤ワインを試飲できます。個人的には、甲州で仕込んだ辛口スパークリングがミネラルの味しっかりで好みでした。そろそろみんなヘロヘロ。

ドメーヌQ。ラストは前から行ってみたかったドメーヌQ。創業10年ほどの新興ワイナリー。醸造家さんのレクチャーを聴きながら試飲することができました。ここの名物は「ピノ・ノワール」というぶどう品種を使ったワイン。このぶどうは、とにかく繊細で育てるのが難しいらしく、収穫量も少なめ、という難しいぶどうを苦労の末昇華した赤ワインの味は素晴らしく、2006年仕込みのピノ・ノワールは、「えっ、山梨ってブルゴーニュ?」と錯覚してしまいました。複雑な味わいのシャルドネもかぐわしく、満足。「後発のワイナリーは、他がやらないことに挑戦しないと」という醸造家の言葉に、甲州ワインの層の厚さを感じました。

というわけで、2日間、全13ワイナリーを訪問。今までで一番精力的にまわったワイン・ツーリズム4年目。個人的には最も楽しい年でした。甲州発酵物産展をやる過程で、山梨中を回って色んな人やものと知り合ったこともあるし、直前までヨーロッパで飲みまくってきたこともあるし、「風土に蓄積した厚み」を感じることができました。甲州ワインは確実に「土地に根ざしている」からこその基礎体力があります。明治の昔から、そこらへんのおじちゃんおばちゃんが、ちゃぶ台に一升瓶置いてワイン飲んできた歴史のうえに、若い世代の視野の広さやイノベーティブな技術が花開いている。しっかり「時間が受け継がれている」んですね。

文化として最もタフなのって、きっとこういう形(人口3000万人なのに超天才フットボーラーを生み出し続けるアルゼンチンみたいな)。
このワインツーリズムの良いところって、そういう奥の深い文化に触れるためのハードルを適切に下げているところにあると思います。普通の酒好きの若者が「田舎の青空でワイン、飲みたーい!」というモチベーションで来たら、思いがけない歴史の深みとか醸造家のこだわりに触れて、土地に対するリスペクトが深まる。

そういう「入り口から出口まで」を的確にデザインしているところが、本当に素晴らしいと思う(あと、地元の人達の参加意識も)。いや~、満足。

 

最後に今回の旅で心に残った名言を。

「ブドウは日陰を嫌うが、唯一手入れする農民の影だけを好む」。

五味一家、ワインツーリズム運営チームの皆様ありがとう。来年もまた来るぜ。

Pocket


【CONTACT】お問合せはこちらからお願いします。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お問合せ内容 (任意)


※送信する前にこちらをご一読ください→

メッセージ(任意)