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メタ・デザインスキルを身につけろ!

明星大学で教授をやっている浅井さんとランチ。用件は「大学の先生って興味ある?」。NOSIGNER太刀川さんからの「とりあえず会って話をしてみ」というレコメンドがきっかけ。

常勤のお話だったので、残念ながら応募はできないのだけど(旅芸人でありかつ零細企業の経営者であるヒラクには責任を果たせそうもない。ごめんなさい)、自身も現役のプロダクトデザイナーである浅井さんと「デザインのこれから」の話題でめちゃくちゃ盛り上がる。
日野にある明星大学では、「造形芸術学部」を「デザイン学部」に改めるらしい。

もちろん昨今の「少子化」に備えて「実学にアピールする」施策なのですが、面白いことに「専門スキル」よりも「企画・ディレクション能力」を重視する学部になるらしい(他の美大との差異化もできるし)。

なので、「ソーシャルデザイン」という発展途中でかつ学際的な科目が設けられ、さらに僕のような「オーサライズされた(いわゆる)デザイン業界から遠く離れたデザイナー」にお声がかかる運びになったのでした(太刀川さん、どうもありがとう)。

大学も大変ですよね。

「卒業したあとに、社会で活躍できるタフで素直な若者をよこしてくれたまえ」という社会(主に企業)からの要請と、「幅広い見識と、強みを持てるスキルを持ったイケてる人になりたい」という(主に親と学生の)願望を一致させるカリキュラムを組まなければいけない(「実学志向」と「教養志向」の二項対立なんて単純な話じゃないんでしょうね、現場では)。

そういう意味でいうと「企画・ディレクション能力のあるデザイナー」、「デザイン的な思考のできるプランナー」という人材像の設定はなかなか時代に適しているものではないか、と思うんですね。

浅井さんにお伝えしたヒラクの私見としては、「これから確実に必要とされるスキルは、『今、自分になんのスキルが必要で、それを身につける方法はこれで、アドバイスしてくれそうな人はあの人』みたいなことを見つけるスキル」という「メタ」なスキルである、というのがあります(アサダくん絡みで話したようなことね)。

WEB業界が顕著なんですけど、今は時代の変転期でかつテクノロジーの発展が超速なので、「スキルの陳腐化」が激しい。だから「このスキル、身に着けとけや」と言われて頑張って手に入れた専門能力の価値がいきなり暴落したりする。その時に、今自分が持っているスキルを足がかりに、「ゼロイチじゃなくて、手持ちでたぶんアップデートできる」スキルを察知して、自分で自分をドライブしていくことができる能力がたぶん「サヴァイブ力」が高い、とヒラクは見ます。

でね、プロジェクトの進行やプロデュースを担うデザイナー(的なひと)って、この「メタスキル」を開発しやすいんですよ。

というのも、文書じゃなくて、図とかモック(模型)みたいなかたちでどんどん「アウトプット」を出すから、自分のおかれている状況とかプロジェクトの論点が、モヤモヤしている自分の意識内から速攻で外に出されて「客観化」される。で、そのアウトプットされた図とか模型とかを見て、また速攻で何かを思いついたり修正したり、足りない要素に気づいて、それができる人材を引っ張ってきたりする。

「自分が出したアウトプットから、自分で学び、そのフィードバックをまたアウトプットする」ということを短期間で繰り返すことで「自分を常にアップデートする」というスキルが強化されていく。しかも、その経過がプロジェクトメンバーにも共有されて、仲間もまたアップデートされるという、非常に社会性の高いスキルなんですよね(太刀川さんはこのスキルが超絶)。

…と考えていくと、この「メタ・デザインスキル(今命名しました)」って、「実学志向の教養力」と言えなくもない。自分でセルフ・モチベーションをドライブさせて、ついでに仲間も盛り上げる、で結果的にいろんなこと学んでるし問題解決もしてる。いいじゃん、こういうヤツ。楽しそうだし頼りになりそうよ。

浅井さん、こういう若者たくさん育ててくださいね(非常勤のお話ありましたら、ぜひご協力させてくださいね)

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