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パスを出すひと受けるひと。

こんばんはー、ヒラクです。

サッカーでは、ポジションとは別に「パスの出し手」と「パスの受け手」という役割が存在します。良い位置に走りこんできた選手に、絶妙のパスを出し(=パサー)、それを受けた選手がゴールを決める(=ストライカー)。

この役割分担、クリエイティブの世界にもあるんですよ。

実際に印刷データになったり、メディアとしてアウトプットされるものを作る人。イラストレーターとか、版下データを仕上げるデザイナー、ライターや写真家等など。
僕たちが目にする表現物を作る人がストライカー。

で、実はそのストライカーに「パスを出す人」がいるんですね。

情報整理をしてイラストのラフを作ったり、紙面の構成を作ったり、全体のイメージを考えたり、そもそものの企画をしたり。編集者やアートディレクター、WEBディレクター等など。
こんな感じでシュートを決めてくれ!とボールを渡す人がパサー。

世間には、才能あふれるイラストレーターやデザイナー、ミュージシャンやライター、写真家etc. がたくさんいます。

いるんだけど、「どうやって自分の仕事を作ったらいいかわからない」と悩むケースがけっこうある。
サッカーで言うと「ボール来たら絶対シュート決められる自信あるんだけど、パスが来ない」という前線孤立状態です(強豪チームのストライカーが、お金目当てにロシアとか中東のチームに移籍した時に見られる現象)。

この前線孤立に陥った場合、どうやって打開するか。

「パスを受けやすい位置を探して走る」、「前線から降りて、自分でボールを持つ」の二つがあります。
イラストレーターの場合を例にとって考えてみましょう。

「パスを受けやすい状態」とは、デザイナーが安心して仕事を頼めるポイントを掴むことになります。色んなテイストのバリエーションを持っておくとか、ディレクターや編集者が悩んでいるポイントをヒアリングするとか、デザイナーの人が速攻で版下データに持っていけるまでイラストデータを仕上げておくとか、自分の個性(シュート力)とは別の努力をしておくと、「やべっ、敵に挟まれてスペースが無い!とりあえずアイツにクロスを上げよう=納期が厳しいのにクライアントの品質チェックが厳しい!とりあえずアイツにイラスト頼もう」みたいな感じでパスが回ってきやすくなります。

そして、「ボールが持てるまで降りてくる状態」とは、自分でデザインもするということになります。
前者を突き詰めていくと、「プロのイラストレーター」として特化した状態になり、後者を突き詰めていくと、「ハイブリッド型のイラストレーター」になって、既存の枠にとらわれない動きを選択することができます(中盤でボール受ける→そのままゴール前まで持っていくor誰かにパスを出す、みたいな)。

どちらを選ぶかはその人の個性ですが、「ボールが回ってこないことを嘆く」状態はあまりよろしくない。なので、「ボールが持てるように走り回る」ことを常に意識することが大事になってきます。

その時にポイントなのがパスを出す人をよく観察することだと思うんですよね。

パサーが見ているのは、どんなスペースなのか。
自分が苦しいときにパスを預けたくなるのは、どんな動きをしているヤツなのか。
パサーとシンクロしていくと、ストライカーの得点率はどんどん高まっていきます。
シュート練習も大事ですが、走る練習、観察する練習も同じように大事。

既存の出版社や広告代理店の仕組みが解体していく中で、イラストレーターやライター、デザイナーは「パスを引き出すテクニック」、「自分でゲームを組み立てるテクニック」を問われるようになっているように感じるのよね。

昔のプレミアリーグみたいに、センターバックからロングパスどーん!みたいなパターンが少なくなってきている(雑誌広告のデザインを受注する、みたいな典型的なヤツね)。

そのかわりに、依頼主とのあいだにエージェントを挟まないプロジェクトがどんどん増える。その場合、コミュニケーションプロセスがどんどん多様化していくから、パスのルートが単純じゃなくなってくる。とりあえずゴール前で待ってればいいや、じゃなくて、走り回って自分でコミュニケーションを引き出していかなければいけない。

「特化したプロフェッショナル」も依然として残っていくジャンルだとは思いますが、これから必要とされるのは走れるし、パスも出せるストライカーみたいなハイブリッド型かもね(そう考えると日本代表で本田と香川が柱になるのもわかるってもんです)。

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