▷デザインを考える

『らしさ』のアーカイブ〜オウンドメディアのその先にあるもの。

今週水曜の「キロク学会」に備えて、アーカイブについて考えを巡らせています。先月のエントリー”共感型ビジネスの鍵は、アーカイブかもしれない。“の続きをメモ。

オウンドメディアブームのその先は…?

1年くらい前から、「オウンドメディアビジネス」が活況です。
これは何かというと、端的に言えば「企業が自前のメディアを運営する」という方法論。雑誌やテレビ等の外部メディアの軒先を借りて情報発信(広告やプレスリリース)していたのを、「メディア自体を自分で持ってしまえ!」てな発想ですね。
自分のルールで、自分たちらしい雰囲気で、自分たちに親しいファンと触れ合えるということで、「オイラもオウンドメディアつくるぜー!」という人がどんどん増えています。

……はい、その通り。
今ご覧のtassetasse.jpも(ミニサイズではありますが)オウンドメディアの一種です。
僕たちには広告を出すような予算はありませんが、このサイトがあるおかげで皆様と「どうよ元気?」「最近こんなことがありまして…」と最近の消息をお伝えできるわけです。

でね。この「オウンドメディア」。方法論も制作コストもかなりこなれてきたので、いよいよ本格的な普及フェーズに入ってきています。小さな組織でも、自分たちらしいコミュニケーションツールが手作りできるということで、僕はとても素晴らしいことだと思っています。

いるんだけど。
やっぱりアタマの片隅にチラつくよね「もうこれブームじゃないの?ていうかブーム去ったらどうなんの?」という自問自答。

というわけで、オウンドメディアブームのその先を見越すためには、「アーカイブ」がキーだと思うんです( ー`дー´)キリッ!

気づくのだ!オウンドメディアの「内なる価値」にッ!

現状、オウンドメディアの価値って「外向きの価値」にフォーカスされているかと思います。
えーと、言うたら「広告費払わなくてもお客さんにリーチできますぜ」とか「分析すると顧客特性がわかりまっせ」とか。つまり「マーケティング」なんですよね。販促or広報の新形態なわけです。

サントリー「新形態…?何言うとります!ウチでは50年以上前に『洋酒天国』出してましたわ!」

41ZsnZO6aBL._SL500_AA300_今考えれば、これオウンドメディアの老舗だな。

確かに、制作会社や広告代理店の売り文句としてはその通りかもしれない。しかし、オウンドメディアには実は「内なる価値」もあるのだな。
あえて定義するとすれば、組織の「見えない経営資源を見える化する」ツールとしてかなりの価値があるかと。

えーと。ある事業を行う組織においては「目に見える(数えられる)資産」と「目に見えない(数えられない)資産」があると言います。
前者は「資本金」とか、「自社ビル&工場」とか、「株」とか、決算資料やIR(投資家向けレポート)に記載できるもの。後者は「企業文化」とか「職場の雰囲気」とか「スタッフの人柄」とか、僕たちがらしさ」と呼ぶようなもの

『らしさ』。

ほら、これ日々のコンテンツの「アーカイブ」によって見える化できませんか。
例えば、スタッフの誰かの何気ないエピソードを拾い上げたら。会議や情報共有の仕組み。専門知識をもったスタッフのノウハウを記事化してみたとしたら?

取引銀行はあんまり気にしないけど(失礼!)、お客さんやスタッフの家族&友達はめっちゃ気になる情報がちゃんと体系化されて、簡単かつエモーショナルに共有できる。会社が大きくなっていって、スタート時のことを知らない新しい人が増えていった時、こういう「内側の意識を整える」ことがけっこう大事になってきたりします。

その時に、オウンドメディアをじっくり育てている組織には、ある種の「足腰の強さ」が備わっているんじゃなかろうかという仮説。

自前メディアの辿る(であろう)三つの方向性。

では話を戻して。オウンドメディアを継続する方向性は大きく分けて3つかなと。

一つ目は、「プラットフォーム」化していく方向性。規模:☆☆☆
バイラルがバイラルを呼び、PV数がどんどん増えていくうちに「あれ?ほとんど朝日新聞デジタルとPV一緒じゃない?」となって、やがて他の組織も乗り入れるプラットフォームになる(千趣会のカタログみたいに)。

二つ目は、「マガジン」化していく方向性。規模:☆☆
ある程度特化したテーマを扱うことによって、「WEB専門誌」みたいになっていく流れ(←これが一番多そう)。えっとね、従来の広告費をバサッと切って、その費用で自分でWEBマガジン運営しよう、みたいなイメージかもしれない。

三つ目が、「アーカイブ」化していく方向性。規模:☆
今日の論点「組織のらしさ」を体系化していきつつ、お客さんの中でも身内に近いようなファンと、内輪のスタッフやその家族、あるいは組織のステークホルダーに向かって発信されていくイメージ。長期にわたってじわりじわりと薪を燃やしていって、気づいたら「組織の中枢」みたいになっていくイメージ。

1と2はもうすでに起こりつつある現実。
で、地味だけど3の「らしさのアーカイブ」。長期視点で育てたい組織にはとてもプラスになるものなのではなないか、と思います。

えっ?僕たちですか?
そうね〜。たぶん2と3のあいだかしらね。

それではみなさま、明後日6/4、キロク学会でお会いしましょう〜。

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