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そして全ては商業空間と化す。

最近、京王井の頭線のハブになる駅(吉祥寺、下北沢、渋谷)が全面改修工事をしています。

で、どうなっているかというと、乗り換えの導線がやたら複雑になった。

小田急線(下北沢)、東急東横線(渋谷)に乗り換えるのに、今までの3倍くらい歩かされることになる。
これね、駅ナカに飲食店とかブティックがたくさん入るよってことなんでしょうね。

AからBの線に乗り換えるあいだに、お茶飲んで、お惣菜買って、服とか小物も買ってもらうために導線を複雑化していると見た(エスカレーターを乗り継ぐのにフロアの反対まで歩かなきゃいけないデパートと同じ原理だね)。

「なんだよお、僕は買い物がしたいんじゃなくて、移動がしたいんだよお」

とイラッとすることですが、デベロッパーはきっとこんな風に返してくるに違いない。

「なるほどおっしゃることもわかりますが、駅のなかで生活に必要なものが事足りるわけですから、手間の節約ではございませんか?」
「ぐぬぬ…」

わかった。その言い分、100歩ゆずって正当としよう。

しかし僕よりもさらに困ってしまうのは「駅の外にある商店」の皆様なのです。

ハブ駅から「徒歩0分」のテナントなわけなので、賃料はVIP設定。そうなると独立系のお店には高すぎるハードルになり、VIP賃料を支払えるのは、複数のテナントを持つ比較的規模の大きな企業のお店ということになる。

んで、そういうお店が街場のお店の「競合」になってしまうという。しかも駅ビルですらなくて「駅ナカ」。
ふーむ、これぞ「勝ち続ける者はひたすら勝ち続ける」というポジティブフィードバックの連鎖だな。

話を戻しましょう。
この現象は、つまり「公共空間(駅舎)が商業空間に変わる」ことがさらにラディカルに推し進められるということです。公共事業でも最近必ずお題目になるのが「持続可能な事業化」だし、お金のなくなっていく自治体や公共機関(的なもの)は、とりあえず持っている全ての場所を「商業空間」にして、日銭を稼ごうとする。

そういうのが良いか悪いかは置いておくとして。
「ありとあらゆる場所の商業空間化」がエスカレートしていった先には何が待っているのだろう。おそらくそこには「生存競争に負けた商業施設の廃墟」が、バブル時代にぼこぼこ生まれたテーマパークのように、全国にその残骸を晒すのであろう(と予言してみる。場所は増えても人口は減っていくのだから)。

…おお?、これってベンヤミンの「パサージュ論」のデジャビュだな。

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