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「良い話の聞き方」についての考察、続き。

話の構造化」について続き。

「話」には時間軸がある。一つの話を聞き終わるまでに、時間が経過する(←書いてみると当たり前なんだけど)。その時に、話の最初の情報を、話が終わるまでちゃんと記憶していないと「あれ?何の話してたんだっけ?」ということになる(よくあるでしょ、こういうこと)。

この事態を防ぐためにも「話を構造化する」という工夫が必要なんですね。
えーとですね。昔話の桃太郎さんを思い出して下さい、「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが…」からはじまり、桃太郎が生まれ、成長して動物たちを味方にして、オニを倒して村に宝を持ち帰ってくる。この構造は、とても記憶しやすい。

もし桃太郎の話に、おじいさんの不倫とか、動物愛護団体の抗議運動とか、オニの脱税行為とかのエピソードが入ってくると途端によくわからない話になり「えーと、桃太郎って結局何の話だっけ?」ということになる。
だから、本筋と関係ない情報は適度に落とし、起承転結に並べていくことで、「時間軸が経過しても、記憶を維持できる」というアレンジが大事になる。

では次に話を進めて。

この「話を意識的に構造化する」ということをする人は、そんなに多くない(というかレア)。なので、インタビュアーとか司会をする人は、外部から「話の構造化」をサポートすることになるわけね。

だって考えてみてください。
「えーと、何の話だったっけ?」という話を何十分も聞き続けるのは「朝礼の校長先生」的な悪夢だし、「結局何が言いたいのかサッパリわからん」という記事を何ページも読み続けるのも「高校生のとき背伸びして読むニーチェ」みたいな苦行感がある。

そこで、司会業だったらバラバラに吐出された情報を、リアルタイムに「その発言はつまり、一番最初におっしゃったキーワードに関連しているわけですね」と時間軸を整理し、「もうちょっと聞きたいお話ですが、また次回にしましょう」と不必要な情報を省いていく。
観客は、その行為によって頭がマッピングされ、迷わずドライブを続けられる。

で、もしそれがインタビューだったならば、同じことを紙なりWEB上の文字の連なりのなかでやるわけね。テープで拾ったエピソードをつなぎあわせて時間軸をつくり、いらん情報を落として規定の文字数に当てはまるようにする。

なので、「良い話の聞き方」とは、この情報再構築のスキルが確かであることが条件になるわけよ。時間軸の経過で劣化しない、ソリッドな情報の連なりを組み立てる技術。こいつは結構奥が深い。

じゃあ、「相手の目を見て、真摯にうなずく」とか、「相手を否定するような相槌は打たず、まず肯定から入る」みたいなよくあるノウハウは何かというと「ナイスな対人関係の作り方」のためで、「ナイスな話をする」というのとはまた違う。

「ナイスな話をする」というのは、情報をいかに素敵にデザインしていくかという、創造的な技術なわけです。

(実はまだいっぱい色んな話あるんだけど、磯木さん、続きはお酒でも飲みながらやりましょう)

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